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RPGツクールフェス デカンの風に吹かれて ツクりました 好評につき公開終了

映画感想覚書 バットマン マスク・オブ・ファンタズム

日本でも90年代に放送されていたバットマンのテレビアニメシリーズからの劇場用作品で、1993年の映画。ただし日本では劇場未公開。

 

近年のDCコミックス長編アニメ作品のキャラクターデザインも、この映画の頃のものを基にしているように見える。かっこいいパッケージアートとは全然違うので注意。

 

 

ここで簡単にバットマンの基礎的な紹介。

 

本名はブルースウェイン。大富豪。

幼少期に両親を目の前で強盗に殺され、犯罪と戦うことを決意。ブルースの両親というのはスパイダーマンで言うベンおじさんのようなヒーローのオリジンに欠かせない存在。

両親殺害の犯人は実は設定が変更されることがままあり、私なんかはバットマンに対する認識が薄いころにティムバートン版の映画を見て、ブルースの両親を殺したのはジョーカーなんだとずっと思っていたのだけど、コミックスではジョーチルという男が犯人という設定になることが主流です。

銃は基本的に使わない。両親を殺した武器だから。

犯罪者とはいえ、基本的に殺すことはない。

バットマンの不殺主義というのは、誰にも傷ついてほしくないというものではなく、犯罪者は死なない程度に、後遺症が残るくらい痛めつけられることもよくある。

活動拠点はゴッサムシティ。アメコミで住みたくない街ランキング万年一位の犯罪都市。立地はニューヨークをモデルにしていると言われている。

バットマンは人を遠ざける傾向があるものの、どうしても周囲に人が集まってきてしまい、実はバットマンファミリーと言えば結構な大所帯。

代表的な敵は、ジョーカー、キャットウーマントゥーフェイス、ペンギンなど。

 

とりあえずこんなところまで知っていればこの映画には十分過ぎる。

 

 

ストーリーは、ゴッサムシティで犯罪者が怪人に処刑されるが、怪人の風貌がマスクにマントだったためバットマンに疑いが向けられる、というところから。

 

コミックスの名作イヤーワンとイヤーツーを下敷きにしたようなところがあって、ブルースのバットマン以前の自警活動から、犯罪者に恐怖を与えるためのコスチュームの考案などはイヤーワン、昔の恋人アンドレアと正体不明の処刑人の登場はイヤーツーを思わせる。

でもこの辺は要素を拾ってきて再構築したといった感じで、メインテーマになるものは全く異なっているので、それっぽいなっていうところに留まって、これをもってイヤーワンイヤーツーの映画化かっていうと全然違う。

 

今作では、劇場版だからちょっと色を出したのかジョーカーも関わってきて、場合によってはジョーカーの素性がこの事件から判明できるんじゃないかって思った。というか、作中のマフィアなんかはジョーカーの正体知ってることになるし。

 

この話で意外だったのは、回想のブルースが自ら立てた犯罪との戦いという誓いと、人並みの幸福が両立できないと考えて悩んだ末に出した結論。

絶対にブルースの方が、犯罪との戦いをやめることができずにアンドレアと駄目な別れかたをするいつものパターンだと思って見ていたので、まさかのプロポーズに驚く。

そしてそれが成就しなかったのだから、バットマン活動の方に突き進んでいっても仕方ない。

 

 逆に怪人の正体のほうは意外というほどでもなく、そもそも主な登場人物がかなり少なめなこの映画では、ぽっと出の知らない人が正体でない限り、あの人かこの人くらいにしか選択肢がないから仕方ない。

 

結末は急で、バットマン視点の情報しか得られない。けど、あの流れだとジョーカーは殺されることになるんじゃないだろうか。ある意味爆発落ち。

 

派手なアクションよりも、回想を多く絡めた落ち着いたストーリーが中心になるので

ヒーローアニメっていう感じじゃない。子供受けは悪そう。

ただバットマン好きなら一回見といて損はないと思う。時間は77分しかないし。