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RPGツクールフェス デカンの風に吹かれて ツクりました 好評につき公開終了

映画感想覚書 スパイダーマン: スパイダーバース

アカデミー賞受賞作を見てきました。

スパイダーマン: スパイダーバース。

近所のT・ジョイでは2D吹き替えのみだったので、2D吹き替えで視聴。

非常に情報量の多い映像が楽しい映画だったので吹き替えでよかった。

マイルスの脳内発言とかが吹き替え版だからか日本語になっていた。

こういうローカライズ、ディズニーだけじゃなくてソニピクもやるんだね。

 

主人公はマイルスモラレス。

マイルスのニューヨークには活動10年を迎えるスパイダーマンがいるのだけど、あらすじ通り死にます。

 

このスパイダーマンの死は映画を見る前からわかってたはずなんだけど、なんか報道されてる場面とかでかなり心を動かされました。

バットマンダークナイトリターンズのラスト付近を読んだ時に近いかも。

覆面活動していたヒーローが死んで初めてその正体が明かされるという展開。

ほかにもピーターパーカー関連の話が自分の涙腺にダメージを与えてくる。

ここ数年アルティメットスパイダーマンや現行のマーベルスパイダーマンのアニメを見て既にピーターパーカーへの感情移入が完了しているのもあるかも。

 

当たり前のように出演してスパイダーマンを悔やむスタンリーには、あんたこそ死んでんじゃないのと思った。

 

その後現れてくるピーターBパーカーは、ヒーローには違いないけどいろんなことが上手くいってない人物。

元々スパイダーマンは軽口キャラなんだけど、そこに20年以上のキャリアが場慣れさせすぎで、もはやデッドプールっぽいところすらある。

 

登場する別次元のスパイダーマンは、ピーターBパーカー、スパイダーグウェンのほかに、アニメ少女ペニーパーカー、白黒スパイダーマンノワール、豚のスパイダーハム、ほぼイロモノ。

アニメ、アルティメットスパイダーマンでも異次元を旅してスパイダーマンたちがチーム、ウェブウォーリアーズとなる展開があって、そのときにペニーパーカー以外は登場していたので知ってはいた。

アルティメットスパイダーマンは元々テンポの速いアニメだったんだけど、異次元編では平行世界に行ってそこのスパイダーマンと出会いグリーンゴブリンと対決してまた別世界に旅立つっていう展開を一話で二つの世界に行ってやるっていうのが驚きの密度だった。

 

 

邦訳コミックも出たスパイダーバースは、ネタ拾いまくりのお祭りみたいな印象があったけど、この映画ではスパイダーバースはあくまで要素のひとつで、メインはマイルス=スパイダーマンのオリジンを描くものです。

なので、それぞれのスパイダーマンの活躍や、スパイダーマンだらけのバトルとかに期待しすぎると肩透かしかも。

しかも、急を要するあわただしい事件に巻き込まれてるのでみんなで親交を深めたりする余裕もないし。

でもそこは、多く語らなくてもスパイダーマン同士だから分かり合えるものがあるみたいに描かれてた。

見た目はともかく全員が迷わず自己犠牲を選択できるヒーロー精神の持ち主で感動。

そして困ったことに全員が悲しい別れを経験してるというスパイダーマンの宿命もある。

 

マイルスにとってはピーターがそれなのかなと思ってたら、まさかの人物。

 

 

最初は乱戦の中立ち尽くしてたマイルスだけど(これは仕方ないよ)、それでもちゃんと立ち上がっていよいよスパイダーマンになる。この辺の展開は期待通りで熱い。

 

一方現在放送中のアニメ、マーベルスパイダーマンではピーター主役で存命のままマイルスももう一人のスパイダーマンとして活動しているけど、こっちのアニメのほうではピーターばっかり大変でマイルスももっと助けてやれよって思うくらいの活躍しかしてない。

アニメでは蜘蛛の能力者って量産されがちで一人二人じゃないのは救い。

 

悪役のキングピンは、あまり馴染みがなくてデアデビルヴィランだったり、マフィアのボスくらいの認識だったけど、この映画で見た限り表向きは悪人ではなく、世間や家族には裏稼業は隠しているみたいだった。

 

マイルスは警官の父親に追われる悲しい展開も避けられそうでよかった。

スパイダーマンも敵が多いから今後も大変だろうけどな。

 

 

映画の初めに、エンドクレジット後も映像がありますって表示される。

もうこれ全部徹底したらいいんじゃない?

なにもないときは、エンドクレジット後に映像はありませんって明記するとか。

自分はいつも明るくなるまで席を立たないけど、この表示があったのに出ていく人はいたからよっぽどトイレ行きたかったんだろうね。

 

エンド後の映像は、別の意味で面白すぎて余韻が全部吹っ飛びそうだった。

あれを見ないで帰るなんてとんでもない。

 

映像は遠目に見るとリアル感があるんだけど、常にコミックブックの点々で印刷されたみたいなエフェクトも乗ってるし、背景は赤青の眼鏡で見たら立体に見えそうな感じで最初はなにこれって思ったけど、ぐいぐい進むストーリーと迫力あるアクションで見ごたえありました。

 

コミック風なのをうまく利用して、文字や効果線なんかも違和感なく画面に登場させてるのも楽しい表現だった。

 

スパイダーマンのことは、これまでの映画のどれかを見たことあるくらいの知識なら十分です。

ついでに書いとくと、スパイダーマンの能力は、超人的な身体能力、耐久力、怪力、壁や天井に張り付く能力、スパイダーセンスと呼ばれる危険察知能力が主。

マイルスはこれにさらに特殊能力が加わります。

糸を出すのは基本的には外付けの装置から。

たまに生体ウェブを出す能力者もいる。サムライミ版とか。

マーベルコミックのトップクラスの人気ヒーロなので、アメコミの人気=強さ補正を加味すれば最強のヒーローの一人です。

とりあえずこれくらいでも十分なので、早く映画館に行ってくればいい。