2019年のSFスリラー映画。ブラッドピット制作主演。
近い未来の話。人類は宇宙での活動をより活発にしている。
主人公のロイは、優秀な宇宙飛行士で心拍数が80を超えたことがない。
ある日超高度の施設の作業中、突然の大規模電流サージによって起きた事故で回転しながら地球に落ちていくときも冷静に対処。
この時代の人類は地球外生命探査も積極的に行っていて、ロイの父は16年前にやはり地球外生命探査のリマ計画とやらで地球を離れ戻らず、死んだとされていた。
ロイは、その父が実は生きているかもしれず、リマ計画でエネルギーとして持ち出された反物質が暴走した結果、地球規模の被害を出す電流サージが発生していると聞かされ、父と交信するためにサージの被害を受けない火星の施設を目指す。
地球外生命探査を熱心に行ってるみたいなんだけど、そっち方面の期待は空振りに終わります。
月に行ったときに、いきなり土産物屋があって地球と変わらなさに幻滅みたいなことを言っている場面がある。
人類が宇宙開発をする時代になっても本質は変わらず地球の延長みたいになってることを言いたいらしく、月面は資源争奪で勢力が対立し、安全地帯、中立地帯、危険地帯みたいになってるという。
そこを月面車で移動していると、案の定山賊みたいな連中に襲撃される。
月の裏から火星に移動する際は、救助信号を出してる宇宙船に救助に行って実験体のヒヒみたいなのに襲われる。
そして火星に着陸の際は、再びサージに見舞われ船長がフリーズ。
宇宙で何かしようとしたり、どこかへ行こうとしたりすると必ずトラブルが起きるのは実際のNASAのエピソードなどから常識だけど、映画なのでなおさら。
月面での襲撃も、ヒヒの襲撃も、着陸失敗の危機も全部冷静で心拍数80のロイが一人で解決してしまう。
ロイは優秀だけど、他人とのかかわりを心の中で拒絶してしまっている。
度々心理テストを受けるシーンがある。宇宙の閉鎖環境で長期の活動を行うには精神の安定が重要だと強く認識されている世界なんだろう。
折角火星に着いたのに、そのあとは火星の施設内のシーンだけで、火星感はあまりなくて残念。重力も地球と変わらないっぽい。
その後は人類はやはり相変わらずで軍は隠蔽体質というのをやって、ロイは海王星行の宇宙船ケフェウスに密航。
気付いた乗員が対処に動くもスピード自滅で即全滅。ロイもそんなつもりじゃなかったよね。
月から火星までも、火星から海王星までのときも距離感がわからない。
反物質を使って相当パワーのある宇宙航行をしているんだろうけど。
月面の治安の悪さから見て、反物質が兵器転用されてたら、されてないはずもないと思うけど、大変な威力で人類滅亡してないのが不思議なくらい。
父親は何としても地球外生命を見つけたかったみたいだけど、この映画では太陽系のどこにもいなかったという夢の無い設定。
折角のSFなんだけど、奇抜な設定とかは特に無く弱め、映像も宇宙空間の無重力描写はあるけど、火星も月もほとんど地球と変わらない感じだったりするし期待ほどではない。
オチも、他人とのかかわりを拒んでいたロイが人間同士のつながりを受け入れるようになりましたという地味なもの。
期待してたSF超大作を見た感は、あまり得ることができなかった。