世界から数か月遅れで公開されたゴジラvsコングをやっと観てきた。
2014年のゴジラから始まったモンスターバースは、わりと早くからゴジラ対コングをやるという話が出てたと思うけど、ついにそこに行きついたという感じです。
このモンスターバースでは、劇中世界の人間がどう思ってるかはともかくとしてゴジラは完全に人間の味方として描かれ、そしてコングもまた人間を保護する味方という存在でした。
ゴジラが怪獣と対決するといっても、主役はゴジラであり、対戦相手の怪獣は脇役なのだから並大抵の怪獣相手ではゴジラが勝つということに疑いの余地もありません。
しかし今回の対戦相手のコングは脇役ではありません。コングもまた主役です。
主役と主役が対決して、そして対決の決着は完全に着きますよってことだけは聞かされてたので、どういう結末になるのかと期待してました。
人気のあるキャラクターっていうのは負けさせるのが難しいんですよね。
アメコミとかでも、あとプロレスとかでもそうだけど人気=強さみたいな部分があるので、人気のあるキャラクターを負けさせる時には必ずハンデを負わせたりとかの工夫が必要になってきます。
例えば万全の状態じゃなかった、どちらかにだけ有利な状況があったとか、人質をとられてるとかそんな感じで。
今回のゴジラvsコングではそういったこともなくお互いガチ対決で、またよくある共通の敵が乱入とかも無く、お互いの母親の名前が同じということもなく、そしてどちらが強いかははっきりと描かれます。
ということなので、ネタバレを気にせず書いてみる。
最初に書いておくと、まず怪獣バトルしまくりです。
これでもかっていうくらい街を破壊しながらの怪獣プロレスです。
反面人間パートの頭の悪さもこれまで以上に極まってます。
モンスターバースでは、これまでモナークという組織が自分たちだけでタイタン=怪獣の情報を独占して好き放題してきました。
でも今作ではモナークは火の消えたように影が薄いです。
代わりにエイペックスとかいう企業が現れていて、ストーリーは全てエイペックスの絡みとなります。
エイペックスはゴジラの怒りを買っているのか施設が襲撃される。
エイペックス側の重要人物として、小栗旬が配役されてます。
日本人枠みたいなのが用意されてるのかな。
小栗旬は台詞喋ってる場面より白目むいてる場面のほうが長かったんじゃないかな。
この世界の地球には内部に空洞があり、そこは重力が反転していて更にすごいエネルギー源があって怪獣たちを育んでいるという、取り返しのつかない設定が出てきます。
その地球空洞説を提唱していたネイサンがエイペックスの調査隊のリーダーとして地球内部に向かうという流れ。
怪獣が地下世界の住人なら、コングが地下世界の案内してくれるのじゃないかとコングを借りにコング研究をしている旧知のアイリーンのもとへ行くネイサン。
コングを移動させるとか、偉い人たちが会議しないと決められなさそうなことだけど、アイリーンの一存で即行船出。
アイリーンが一番偉い人でいいのかな。
コングは鎮静剤を撃たれた状態で鎖につながれて移送。
その途中ゴジラが襲ってきて海でのバトル開始。
ただ、この拘束してる鎖が自力で壊せない時点でゴジラに勝てそうにない気がした。
ゴジラだったら鎖でつないで動けなくできるとか想像できますか?
どこか若さを感じるコングと、貫禄のあるゴジラ。
ゴジラのほうが水中適性があるので海中では圧倒的に有利。
なんとか難を逃れるコング一行。
ゴジラ襲撃前には、コングは手話で人間と意思疎通できたという重要な事実が明らかになる。ただし心を通わせてるのはひとりの少女だけ。
ちょっと感動的な場面です。完全に人間の味方になれますね。
このコング一行と、もうひとつの展開がエイペックス社への潜入。
こっちのチームがまあ滅茶苦茶で。
前作で強烈な印象を残し去ったエマ、その娘のマディソンが続投し今作でも大活躍します。
母親とは別の方向を向いているとは思うけど、母親譲りの思い込みからの行動力。
結果オーライだからいいけど。
エイペックスのユルガバセキュリティ。
まずコンピューターにUSB挿されて簡単にデータ盗られるし。
侵入者が衆前に現れるまで誰も発見できないし。
マディソン含む三人組は明らかに素人なのに奇跡のように発見されないままエイペックスの秘密の核心に迫ります。
最後のコンピュータ破壊は、どんな機械でもプラグ抜いたら勝ちみたいなアレですか。
地球内部には人類の知らなかったもうひとつの世界が広がっており、そこでコングの縁ありそうな場所が見つかります。
巨大な扉にコング大の手形があって、タッチセンサーで開くのかなとおもったら、そこに手をついて押し開けるタイプ。
なにかの文明遺跡みたいだけど、コングサイズなので、コングの仲間がかつて築いた文明かもしれないですね。
前作では海底遺跡にカタカナでゴジラと書いてあったりしたので、なんでもありです。
ゴジラは地球規模で探知能力を持ってるらしく、地底内部空間にいるコングたちの動向に気付いてアプローチしてくるのだけど、ちょっと地球儀を持って想像してほしい、南極の穴から地球内部に進入したコングたち、そこからどれくらい移動したかは不明だけど、ゴジラは香港の地面に光線を吐きはじめ、そのままコング文明の空間まで貫通させました。
どんだけ?
今度は香港でゴジラvsコングが始まります。
少し前まで放送していたアニメのゴジラSPでは、ゴジラが上陸してから本格的に暴れだすまでに猶予期間があったおかげで避難完了できたので、ゴジラによる群衆散らしシーンってのはほとんど無く、むしろラドンの役割でした。
この映画ではゴジラはすごいスピードで泳いできて香港に上陸して破壊し始めるので、香港人は避難する暇もなく大怪獣バトルの巻き添えになります。
ゴジラは牙も爪も尻尾も破壊力があるのだけど、それ以上に光線が強い。
コングは光線に当たらないように必死に香港のビル街を飛び回ります。
この辺りは、バットマンvsスーパーマンで一発当たったら終わりのドゥームズデイのビームを必死に避けるバットマンを思い出しました。
コングの回避行動とゴジラの熱線の両方で香港の街が壊滅。
これのせいで香港の行政には統治能力がなくなったことにされて共産党の完全支配下になるんだろうな。
結局この対決、ゴジラが強かったです。
モンスターバースではコングもギドラも名前にキングを付けることができませんでした。キングはゴジラなので。
ゴジラと敵対した怪獣はだいたい木っ端みじんにされてるので、負けるということはそういうことかと思いがちですが、別に光線で吹き飛ばなくても負けは負けです。
とはいえゴジラと戦った後のコングは人間の助けがなくては死にそうではありました。
ということで終わりなんですが、まだエイペックスに潜入したマディソンたちがいました。
メカゴジラについては予告などでは完全に伏せてあるんですが、YouTubeでも見てれば余裕でサムネイルネタバレしてくるんで、本作に登場することはわかってました。
どんな設定で登場するかというのはわかりませんが。
前作のラストで、環境テロリがギドラの首を買い取る場面があったんですが、自分たちでは使わずエイペックスに横流ししたようです。
エイペックスは、このギドラの頭骨を遠隔操縦用のコックピットとしメカゴジラを建造していました。
前作においてオキシジェンデストロイヤーを使われる前に、ギドラは一本首をもがれていて、それ以外はラストバトルで首も体も跡形もなく溶けたようだったので、残されたギドラの頭部は一個だと思われます。
しかし作中のセリフでは、コックピットの骨とメカゴジラ本体にも骨が使われているように読み取れました。
ただ、もうひとつの骨がメカゴジラに使われていてテレパシー通信しているというのは、あくまで登場人物の予想に過ぎないので本当のところはわかりません。
このメカゴジラが強すぎる。
ゴジラと戦って、格闘でも光線の威力でも圧倒するという強さ。
ギドラに由来するメカゴジラというと、VSメカゴジラに登場したGフォースメカゴジラが思い出されます。
でも今作のメカゴジラの問題は、Gフォースメカゴジラが23世紀の技術を解析して造られたのに対して、全部現代の人類の技術で造られてるということです。
まあ半重力船とか出てきてるので人類の技術がどれくらいのものか正確にはわかりませんが。
動かせなかったのはエネルギー源が無かったためで、それを解消するとゴジラ以上のパワフルな怪獣となりました。
ギドラの骨もコントロール関連で導入されてるようだし、ボディは人類お手製ということですよね。
これをエイペックスとかいういち企業が、秘密裏に、しかもおそらく3年くらいで造れたという事実。
だったら米軍が本気出して造ればゴジラもメカゴジラも超えるロボット兵器、仮にMOGERAとでも呼びましょう、が造れちゃうじゃないですか。
それでこのモンスターバースにおける、タイタンの時代っていうのもこの先長くないのかなって思いました。
最後は地下世界を第二の故郷としたコングとそれを見守る人間たち。
でもちょっと待ってほしい、地下空洞の世界って髑髏島以上に巨大危険生物がうじゃうじゃいそうな激ヤバ世界じゃなかったか? 惨事の前振りかと思った。
シリーズ恒例のようだったエンドロール後の映像は無く、物語の終わりを感じさせます。
でも大ヒットしたから続編も検討されてるとか。