病床から書いてみる。
自然気胸で入院するのは3回目。これは手術しても再発するのだ。
1回目の入院のとき、まだ中学生だった。
病院で、消灯時間のとおりに寝たことはない。例えば夜9時から朝6時なんて小学生の睡眠時間であって、毎日そんなに眠るのは、特に安静にしてるだけの自然気胸の自分には難しい。
中学生の自分もこっそり夜更かししていたわけで。
当時暗い中で時間潰しにしていたのがラジオの深夜放送。
そうして聴いていたラジオで流れた歌が、遊佐未森の一粒の予感。
それがどう自分の中に引っかかったのかわからないけど、それ以前にもそれ以後にもやったことはない、タイトルを忘れないようにメモをとるというのをそのときだけやったのね。
そして、後日CDを手に入れて歌を聞いているうちに、あれ?と思いだして。
さらに遡って小学生のとき、あるCMソングが自分の中でお気に入りで、頭の中で繰り返していたのだけど、その頃歌手もタイトルも知らなかったそのCMソングが、もしかしたらこの遊佐未森の歌かもしれないと思いついてしまったという。
当時の中学生の自分から、さらに5.6年前の歌になるんだけど、CDをいくつか買ってみるとあった、あの歌が。
遊佐未森は現役なので、結局それ以来今まで追い続けることになった。
この話のテーマは、人間の好みや嗜好はわりと早い段階で固定されるものなんだろうか、ということ。
小学生のとき気に入った歌の歌手を、中学生のときにピンときて、20年以上たっても愛好しているというのだから。
あるCMソングというのは、遊佐未森の地図をくださいという歌で、アーノルドシュワルツェネッガーが日本のCMに出るというので、タイアップ狙いが山といた中、既発売のアルバムの中の一曲だったこの曲が選ばれてCMで流れることになったということで、当時ならわりと知られた歌でもあったと思うけどどうか。