趣味がありません。
強いて言えば、トイレットペーパーつまりトイペを買ってくるじゃないですか、それを積む。トイペを積む。
いわゆるトイペタワーです。
ロールを積むことからロールプレイングゲームとも呼ばれています。
これが唯一の趣味です。
この趣味は10年くらい前の東北の大地震の後、この埼玉でも流通が滞り様々な物が不足するという事態を経験し、実益を兼ねた趣味として始めました。
トイペは積んでおくくらいがちょうどいいんです。
去年だったか、コロナで脳を失った人々によってトイペが買い占められるということが起きました。
トイペはほんのわずかな社会の歪みによって不足します。
トイペはさ、普段から多めに持っておこうよ。
さてそんなトイペですが、最近新たな流れが出てきています。
2倍巻きとか3倍巻きとかいうものです。
ロールの見た目は変わらないのに、長さが2倍や3倍になっているというやつです。
12ロールと同じくらいの値段で同じだけ使えるトイペが4ロールになるということで、交換の回数が減り、置いても場所を取らないという利点が強調されています。
置いても場所を取らないということは、積んでも高くならないということです。
もしトイペがみんな3倍巻きになったとしたら、これまでと同じ値段で3分の1のタワーしか建立できないことになります。
積むこと自体が目的です。
様々な品物が値上がりする昨今、トイペは2倍巻き3倍巻きの登場によってロール当たりの価格が2倍3倍になっていこうとしています。
それはすなわち、トイペタワー建立のコストも2倍3倍に跳ね上がるということです。
今まさに、トイペタワークライシスの時代を迎えようとしているのです。