公開中の新作のほうではないですよ。先日テレビ放送してたほう。
ポケモンの映画は毎回一年遅れでテレビ放送してた時に見てるので、そっちの感想。
テレビ版のサトシとピカチュウの旅立ちのリメイクに、ホウオウにまつわるエピソードを絡めたストーリー。
テレビ版のときにオニスズメの襲撃を受けたピカチュウというのが、いかにも弱った動物的ですごくかわいそうに見えたんだけど、あれは初期のアニメのキャラクターデザインではピカチュウがずんぐりむっくりで今より動物っぽかったことも、あのかわいそうな感じを強調していたんだなあと、きれいな絵で見て思った。
映画を見て泣くかどうかっていうのは、結果的にそうなるかどうかってものなので、最初から泣きを売りにされるとどうしても引いてしまうのだけど、この映画はわりと泣かせようとしてるのがあからさまだったと思う。
涙腺を緩ませようとしているのか、ポケモンとの別れのエピソードを次々出してくる。
テレビ版のいくつかのエピソードを摘まんでくるんだけど、それを継ぎはぎみたいにしているせいで小さい展開が連続してメリハリがちょっと欠けると思った。
今作で、すごく思い切ったなと思ったのが、ホウオウのフィーチャーとピカチュウをしゃべらせるということ。
ピカチュウをしゃべらせたり、モンスターボールに入れてしまうというのは今までやってこなかっただけに、今作の最重要な要素の一つなんだろう。
ピカチュウがボールに入らない理由はサトシと一緒にいたいから。元々ボールに入るの嫌いだってオーキド博士は言ってたし、仲良くなる前から入らなかったような。
ホウオウは、映画の主役などで深く描かれないことによって、その神秘性をより増していると考えていたので、満を持しての登場に、ついにこの時が来たかと感じた。
でも、ピカチュウを庇ったサトシが謎演出から復活したけど、てっきりあそこでホウオウが何かするのかと思った。本当にバトルするだけだったよ。
それでそのバトルもほとんど見せてくれないから、ついに登場したホウオウだったけど、あんまり登場してないじゃない。
事前に評判がすごくいいのを目にしていたので、ちょっと期待値が上がりすぎてたかもしれないけど、そうでなかったとしてもそんなにボロボロ泣くような場面はなかったと思う。
そもそもテレビ版の初期のころに、すでに涙腺刺激系のいい話が結構多かったように記憶してるんだけど、どうでしょうか。
あとバタフリーは、テレビのときも繁殖目的でつがいになって別れて行ったんだけど、その後繁殖に成功したって聞いてないんだけど、どうなってんのか。
ポケモンの映画で毎回おなじみなのは、風光明媚な自然や街が登場して、そのモデルとなる土地にロケハンに行く湯山監督なんだけど。そのロケハンに行く金でいい脚本家雇えよって出来の映画もチラホラある中、今作はまあまあでした。
これだったら、テレビのサンムーン面白いんだからサンムーンの映画でもよかったんじゃないかなって思えるんだけど、どうも来年の映画情報からもサンムーンの映画はやらないみたいですね。
これは完全に個人の好みの問題になるんだけど、俺はデオキシスや、ディアルガ対パルキアみたいな暴れるポケモンとそれに対処させられる人間っていう、怪獣映画っぽいシナリオのほうが好き。小さくてかわいいポケモンが主役の映画は必ずそのポケモンがひどい目にあわされるから好きじゃない。
ロケット団のシーン全部いらなかったよね。次回作の伏線かなんかなのか。その次回作みんなの物語も、続編なのにサトシの顔が変わってるという謎。
というわけで、面白かったです。一緒に放送してたポケんちは見たくないので見なかった。