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RPGツクールフェス デカンの風に吹かれて ツクりました 好評につき公開終了

映画感想覚書 ザ・フラッシュ

フラッシュ単独映画、というにはずいぶん単独じゃないですが、今年の期待作のひとつザ・フラッシュです。

 

2時間以上ある映画だけどなにかの能力で時間が飛んだのかってくらい、体感はあっという間でした。

 

主演のエズラミラー君は、なんで逮捕されずにいられないのってレベルの問題児なんだけどもう大丈夫なのかな。

 

 

この映画の元ネタはDCコミックスフラッシュポイントです。

タイトル通りフラッシュが主役で、フラッシュがある日気が付くと能力を失っていた代わりに亡くしたはずの母親が生きていた、というところから始まり、世界の破滅を阻止するためある決断をするという話です。

このフラッシュポイントは当時のDCコミックスのリランチのきっかけにもなっています。

リランチとは長い歴史が続くアメコミで時々行われる設定の刷新で、フラッシュポイントでは歴史改編からリカバリーしたように見えて実は別の歴史が動き出したという感じに、それまでDCコミックスで継続していた全てのシリーズが終了し、新たな52のシリーズが立ちあげられ、ヒーローたちの設定はごく一部を除いてほぼすべてリセットされ、更にDCコミックスロゴマークまで変更になったという大規模なリランチでした。

 

自分はフラッシュポイント既読の状態で見たので、もう一つのフラッシュポイントなんだなって感じの理解で見たんですが、日本人の大多数はフラッシュポイントを読んでないと思うんでその状態での感想は気になります。

 

あんまりネタバレしないように書いてみる。

 

フラッシュは町を守る代わりに盗み食いをしちゃう愛されヒーロー。

 

前半は思いのほかコミカルです。

終盤は普通のヒーローもので想像してる展開とは違うかもしれないです。

 

開幕は朝からフラッシュのゴッサムシティでのヒーロー活動。

フラッシュの能力を生かした完璧なレスキューでした。

更にバットマンも大活躍し、最後こそ真実の投げ縄で大事故が起きましたが非常に満足度の高いオープニングです。

 

あのフラッシュが通る時のバーンってなるやつは市民は気付かないのかな。

今この店からフラッシュ出ていったよね、とかなっちゃう気がするけど実際には出てない音と衝撃なのかな。

 

 

詳しい話は映画の中でも出てこないので避けますが、フラッシュことバリーアレンは幼いころ母親が殺され、その容疑で父親が収監されています。

父親の再審のため用意した証拠が使い物にならないと分かったバリーは、思い余って走った結果時間を大きく遡れることに気付いちゃいます。

 

このあとブルースとポザーノフで一瞬時間を戻したという会話をするのだけど、ポザーノフは映画ジャスティスリーグの決戦地です。

映画ジャスティスリーグではポザーノフの決戦でフラッシュが時間を遡った描写があるんだけど、それはザックスナイダーカット版でのことです。

劇場版ではフラッシュは最終決戦で大した活躍はしてません。

公式にはスナイダーカットから展開はしないことになってるはずなのでちょっと気になります。

また、スナイダーカットで時間をさかのぼる描写は、あくまでフラッシュの速度が光速を超えた時点からフラッシュが時間を逆行しているという感じだったのに対し、今作の時間移動は全く別の現象に見えます。

 

 

過去に影響を与えてはだめだと言われてたんだけど、もちろんやっちゃいます。

 

今作の特徴であるもうひとりのバリーが登場してからのドタバタも楽しいです。

これは予告でも明らかなので特にネタバレでもないと思うので書きますが、フラッシュが現れた時代は少し過去で、丁度ゾッド将軍がやってくるタイミングです。

なのにスーパーマンがどこにもいなくてやばいという状況。

 

ウェイン邸で襲撃された際に、襲ってきたのがブルースとみたバリーが咄嗟にマーサって叫んでるのがおかしかった。

それはブルースの動きを封じる呪文じゃないから。

その後マイケルキートンバットマンとスーパーガールのカーラ=エルを仲間に加え、かつてはスーパーマンがたった一人で戦った相手に、バットマン、スーパーガール、フラッシュ2人で戦いを挑むことになるわけです。

ヒーローたちが力を合わせればどんな敵にも勝てる気がします。

 

 

 

タイムトラベルで事態を解決しようとして泥沼化する展開というのは、タイムトラベルもののお約束であり見どころでもある。

この映画では時間移動を独特な形で表現しているのだけど、フラッシュたちの周りをなんかもうぐちゃぐちゃになって壊れそうな過去が取り囲んでる場面はあまり味わったことのない不安感を覚えた。

そしてもうひとりのバリーが、体に何かの破片みたいなものを刺さったままにしてるのでなんでそのままにして大丈夫かよ、って思った直後それに気付いた。

 

 

前半が楽しいと、その分悲しい展開は重いです。

でも、コミックで描くマルチバースの表現をそのまんま実写化したような場面があるんだけど、そこは笑っちゃうかも。

自分の子供にカル=エルって名付けた人のスーパーマンとか出てきちゃうし、あそこウケ狙いだよね。

 

 

誰も読んでないであろうフラッシュポイントよりも映画バタフライエフェクトを思い出す人もいるかもしれないですね。

この映画もだけど、フラッシュポイントもフラッシュとバットマンにとっていい話で泣けるんですよ。売ってないのでお勧めできないのが残念ですが。

 

 

この映画は事前の試写会で大絶賛だったり、トムクルーズが監督を褒めまくったとかスティーブンキングが面白いって言ったとか、とにかくいい話をたくさん聞かされて逆にハードル上がり切った状態になってました。

トムクルーズは死んでも死んでも何度もやり直す映画に出てましたよね。なんか思うところがあったんでしょうか。

 

結果としてはやはりとても面白かったです。何度も見たいです。

マンオブスティールももう一回見たくなったし、フラッシュポイントもまた読みたくなった。

スーパーガールの活躍はちょっとだけ残念だったけど、だからって減点ってわけでもないので。

 

 

DCUの映画はちょっと前から再編の動きがあったんだけど、情報が出るたびにわけわからなくなっていったので、先のことは考えず出てきた映画が面白いか面白くないかだけ考えることにしました。

MCUのほうはエンドゲームでエンドゲームしちゃった口ですね。

そんな感じですが今後のアメコミ映画にもちゃんと期待してます。


BVS、アクアマン、シャザムそしてザ・フラッシュと続いてきた母親との再会シリーズもこれで完結かな。

 

あとこれは最後の部分の重大なネタバレであるんだけど、バリーは悲しい決断をしてトマト缶を元に戻して帰ったように見せかけて、実は下のほうにあったトマト缶を全部上のやつと入れ替えてたってことなんだよね。ちゃっかりしてるでしょ。

そのせいでDCEUが終わってDCUに変化しちゃったってわけなんだろうけど。

でもちょっとだけでもバリーにいいことあってもらった方がいいよね。